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【売上100倍】落書きでAmazon1位獲得「架空の歴史ノート」出版社が明かす。電子書籍で勝つための3つのポイント

レベルライフ藤田

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株式会社レベルライフ代表の藤田です。今年初旬に弊社から出版した電子書籍「架空の歴史ノート」は、ある販売戦略によって一気に売上を伸ばしAmazon電子書籍ランキング歴史部門で1位、 総合でも4位にランクインしました。

以来、大手ニュースサイトや新聞、バラエティ番組からの取材も舞い込み、大きな話題を呼びました。

個人作家の作品が、並居る大手出版の作品を抑えて話題を巻き起こした事は書籍販売の転換期の象徴的な出来事のようにも思われます。

この記事では個人の作品をいかにしてランク入りさせるかのコツをなるべくリアルな形でお話したいと思います。



電子書籍で勝つためのポイントは3つ

昨年秋のAmazonKindleの日本サービス開始によって、個人による電子書籍の出版は一気に加速した感があります。 個人出版のハードルはグンと下がりましたが、反面クオリティの低い商品がマーケットに溢れているのも事実です。

販売ができても、売上が上がらなければ本末転倒です。

膨大な数のライバル商品、電子書籍コンテンツの海の中でいかに浮上するか?

鍵は「コンセプト」「話題作り」、そして「PR戦略」の3つになってきます。

弊社が電子書籍出版の販売を開始したとき、自社商品の他に個人の作家さんからの作品を募集しました。

そこで応募してきたのが「架空の歴史ノート」作者の設楽陸さんでした。

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この作品は小学生の時、授業中に落書きした「架空の帝国の歴史」を思い出して書き直したもので、 実に大学ノート13冊分にも及びます。

一見してインパクトのある表紙に、思い出を刺激するなんとも言えない味のある絵図。 オリジナリティの強い作品でしたので、弊社プロモーションで売り出してみようと思い立ちました。



「コンセプト」ネット上のバズ誘発を狙いに

販売戦略にあたってまずはコンセプト作り。

設楽さんが実は画家であることは敢えてアピールせず、パッと見のインパクトを前面に押し出し、 落書きがそのまま販売されてしまったかの様な印象を感じてもらいたいと思いました。

sp_fujita_teikoku_3.jpg理由としては以下の3つです。

1.手書きノートがそのまま電子書籍になったというビジュアル的なインパクトを活かしたかった

2.電子書籍の販売ルート的にネットで話題になりやすい切り口(=ネタ性重視)が望ましかった

3.ノートに落書きして楽しんでいた層(=元中二病の現オタク層?)向けのマーケティング

またノート13冊分という量からもわかる通り、内容は奥行きのある非常に濃い作品となっています。

sp_fujita_teikoku_4.jpgライト層ではなくコミックやサブカル好きのコア層向けに打ち出し、ネット上のバズを誘発していくべきだという判断もありました。

コンセプトを絞り、そこからマスコミ各社へのアプローチを開始しました。



ユーザー自身が宣伝してくれるように「話題作り」

コンセプトが決まったら、それが一行で伝わる様に面白い見出しを作ってみましょう。

作品自体のクオリティやメッセージ性から一旦距離を置いて、ユーザ目線で面白い部分を抜き出して極端に表現する様なイメージです。

電子書籍に限ったことではありませんが、ネットで商品を話題にするにはメディアからの一方的な宣伝では限界があります。

いくら内容が面白い作品でも、まず話題にしてもらえなければ市場に広がっていくのは物凄く難しいのが現状です。

いかにバズらせるか=ユーザー自身に宣伝してもらうかが鍵になってきます。

そういった意味ではやはりネタ的に笑える見出しや、初見のインパクトが一番大事になってきます。

今回の架空の歴史ノートで言えば

「中二病全開の黒歴史ノート」

「落書きを売って生活しようとしている男」

「amazonでなんか変な本見つけた」

などの見出しが各メディアの画面上に踊りました。

本人からすると不本意な部分はあったかも知れませんが、インパクトは絶大です。

作品だけでなく、背景、作者のプロフィールなどから面白い話題をピックアップして見出しにします。

衝撃的な見出しが話題作りの第一歩です。

その見出しが実際に商品を購入するであろうターゲット層の好みと一致していれば、その効果は最大となります。

「話のネタに見てみたら、気になって買ってしまった。でも読んでみたら面白かった。」

このパターンにハマればファンの獲得に直結していきます。



販売導線を広げるための「PR戦略」

電子書籍は当然ながらダウンロード販売のみです。

書籍に興味を持ってもらい、販売ページを開いてもらう事がもっとも重要です。

ネットでのPR戦略=販売戦略に直結するため、弊社ではほぼ全ての展開をネット上での宣伝に絞っています。

残念ながらAmazonの販売ページはアクセスログを取ることができませんのでクリックあたりの購入数を割り出すことはできないのですが、しっかりとリンクで導線を敷いて訪問数を稼ぎます。

AmazonのページはSEO的にも強いので、商品名で検索した場合大体1位に表示されます。

ただしAmazonの販売ページに記載できる商品情報は限られているので、検索結果の2位以下に書籍に関する記事、著者のプロフィール等が表示されるのが望ましいです。

こういったページを作っておく事で、興味を持って検索してくれた見込み顧客の購入を後押しすることができます。 また、関連書籍や続編で二次的な売上に繋がっていきます。

そこでお試し版を公開しておくのも効果的です。

導線を敷いて一通りの準備をしたら、後はいかに販売ページに来る人を増やすかです。

地道な部分では紹介記事や読者のレビューから販売ページへのリンクを沢山作っていくこと、短期的な部分ではやはり話題作りに頼る所が大きいですね。

メディア掲載されるとその後紹介記事が雨後のたけのこの様に増えてきますから、この二つは流れの中で一体になってきます。

単価の低さと電子書籍の市場規模を考えると、広告展開等に高いコストを掛ける事は現実的ではありません。

低いコストで勝負するには、やはりニュースサイト含めたメディアに取り上げてもらう事を狙っていきます。

全てを具体的にお話する事はできませんが、弊社では提携メディアへの紹介記事の記載をしてもらったり、 ライターにレビュー依頼をするなどして火種を作っていきます。

もちろん各種メディアへのコネクション作りも怠りません。



話題になると売上は100倍に

上記の3つの準備をすすめてアプローチを開始しました。

販売当初に話題に登る前は、週に5~10部ほどで個人のお小遣い程度といった売上でしたが、ネタ系のアプローチを開始した直後に、Facebookシェア1000件、TWITTERでのつぶやきは1700件ほどに登りました。

有名漫画家など著名人の反応があったことも効果的でした。

そこから一度取材が入ると、一気に注目を集めて売上アップ⇒Amazonランキング1位⇒また売上アップと好況ループに入ります。

【取材していただいたネット媒体例】

ネタりか Presented by Yahoo! JAPAN 【ベストセラー確実か】Amazonですべて手書きの本が発見されて話題
(http://netallica.yahoo.co.jp/news/20130527-00000320-rocket)

やじうまWatch Kindleストアで異彩を放つ「架空の歴史ノート」、公開に至った経緯とは
(http://internet.watch.impress.co.jp/docs/yajiuma/20130527_601000.html)

別冊WAGAZINE アマゾンで中二病全開な落書きノート「架空の歴史ノート」が販売!
(http://www.wagamichi.org/wagazine/archives/180)

そして一気に週間500部以上を売上げてAmazon電子書籍ランキング歴史部門1位を獲得し、売上を伸ばしました。

しかし、数週で徐々に勢いを落としていきます。

ダウンロード販売では売れるまでのスピードも速いですが、反面廃れるのも一瞬です。販売戦略は次の段階に入ります。

作者の設楽さんに続編の販売準備を急いで頂くと共に、更なるメディア展開に向けてアプローチを開始します。

続編の準備はもちろん少しづつ増えてきたファンに向けて販売コンテンツを増やす為、メディアへのアプローチは話題性の持続を狙いメディアのターゲットをニュースからバラエティに切り替えました。

やはりどこまでも話題性先行で勝負した方がこのコンテンツは伸びると判断した為です。

元通りとはいきませんが、売上は落ち着きを取り戻しました。

そして、弊社がもともと俳優育成を行っていることもありテレビ局との関わりも強かった事が幸いし、とあるバラエティ番組より出演依頼をいただき作品の面白みをアピールさせて頂きました。

メディアミックス展開そのもののビジネス的なメリットの他に、ファンと共に作り上げていくコンテンツを用意する事で、リアルタイムに作品の世界が拡がっていく様子がプロモーションになると考え、現在は「架空の歴史ノート」を原作としたボイスノベル作品のプロジェクトをスタートしています。

 

奇才・設楽陸。あの究極の中二病作品「架空の歴史ノート」がボイスノベル化!



電子書籍作家で食っていくことはできるか?

電子書籍作家で食っていくことはできるか?という質問をよく頂きます。
例えランク入りするほどのヒットをしたとしても電子書籍単体の売上は数十万円といったところです。そこから手数料を引かれる訳ですから利益としてはかなり厳しいと言えます。

通常の書籍のヒットと同じイメージでいると肩透かしを食らう事になるでしょう。売上の維持と追加コンテンツの開発を同時に行っていく必要があります。

では電子書籍を販売して利益を上げるには具体的にはどうしたら良いのでしょうか?

以下の様に、電子書籍ならではの利点もあります。


・初期コストがかからない
→続編含め多くの作品を出版できる
→単体の売上が少なくても数で勝負できる

・在庫管理が必要ない
→急に売上が伸びても増刷などの対応が必要ない
→書店からの返品がない
→書店に並ぶタイミングに合わせずマイペースにPR戦略が打てる

・出版社の干渉を受けない
→今までならありえない様なアイデア商品を販売できる
→ごく小規模な販売数でも問題ない

・データダウンロードで販売できる
→データをアップロードで修正やアップデートが容易
→画像やリンク追加などデータならではの要素がある

・出版までのスピードが速い
→ヒット作が出るまで多くの作品を発表できる
→ヒットした場合すぐに続編の販売を開始できる


これらの要素を活かし、通常の書籍とは別物としての販売戦略を練っていくべきでしょう。
この辺りが通常の出版社のノウハウが苦戦している理由でもあります。

作家の方も販売するだけはつまりませんから、独自の切り口でランク入りを狙ってどんどん勝負してもらいたいですね。

気軽に販売できるシステム整備だけでなく、いかにヒットコンテンツを生み出すかが今後の電子書籍出版の未来に繋がるはずです。

しかし個人作家の方がテレビ露出やメディアミックス展開をするというのはやはり限界があります。

作家は作品作りに集中して頂き、追加展開やPR企画に関しては我々その道のプロに任せて頂くというのがベストな形だと我々は考えています。

収益はシェアする事になりますが、PRが成功した場合の売上部数の爆発的な増加を考えれば手取りの利益は比べ物になりません。
(ただし、しっかりと信頼できる業者を見つける事が条件ではあります)



PR:一緒に電子書籍を出版しませんか?

レベルライフ出版部門ではこれからも新しい作家さんを募集しています。

個人の頭の中にあって、本来なら埋もれてしまうはずだったコンテンツが世に出るお手伝いをするというのはとても刺激的で、楽しいお仕事でもあります。

ある日突然、取材が殺到し人気作家になった設楽さんにはご迷惑をお掛けしている部分もありますが、これからも楽しんでお仕事して頂ければと考えています。

今回の様にTVに出演して話題作りをして頂いたり、ボイスノベル化などのメディアミックス、さらに作品そのものにも表紙画像、 音楽やムービーを組み合わせてOP,EDテーマを付加したりと様々なサポートを行っています。

ご興味がありましたらご連絡ください。

株式会社レベルライフ (http://www.rebellife.jp.net/)

レベルライフ出版部門 (http://www.rebellife.jp.net/amazonkindle.html)

【こんな時はこのアプリ】

スマートフォンから「架空の歴史ノート」を読むなら、Kindleを使ってぜひ読んでください。

  • AMZN Mobile LLC

  • Kindle

  • 無料

※記事作成時のiOS版での情報を記載しています。

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レベルライフ藤田

株式会社レベルライフ代表の藤田です。 芸能・出版をメインに広告代理業務など面白そうな事ならとりあえずやってみます。

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